インターネット通販で世界最大手の米アマゾン・ドット・コムは日本で電子書籍事業に参入する。小学館、集英社など出版大手と価格設定などで詰めの交渉に入っており、年内にも日本語の電子書籍を購入できるサイトを開設。スマートフォン(高機能携帯電話)などに配信し、自社の電子書籍端末「キンドル」も投入する構え。日本勢も紀伊国屋書店や楽天がソニー製端末への書籍提供を始める。日本でも電子書籍の普及が本格化しそうだ。
アマゾンは講談社、新潮社などとも交渉しており、1~2カ月以内に数社との契約を目指している。中堅出版のPHP研究所(京都市)とは合意した。PHPは約1000点の書籍を電子化して提供する方針。
引用元: アマゾン、年内にも日本で電子書籍 :日本経済新聞.
やっと来るか…
これまでもアマゾンの電子書籍がいよいよ日本進出か?といった噂は流れていましたが、今回は本当かもしれん…。消費者側から見ると嬉しいのではないでしょうか。私は嬉しいです。
振り返ると、電子書籍元年とか言って日本のハードメーカーや出版社、通信会社などが手を組んで電子書籍に関する「協会」を乱立させたのが去年(2010年)の話。
その後の展開といえば、顧客を囲い込むために書店毎の独自リーダーアプリをインストールしなければ書籍が読めないといった、消費者には全然嬉しくない方式が乱発され、いったいいくつリーダーアプリをインストールすればいいのか判らない状況でした。
そして、今年鳴り物入りで登場したシャープの「ガラパゴス」も先日事実上の崩壊を迎え、各社・各団体が電子書籍を大々的に宣伝してた割には全然流行らないし(そりゃーちゃんと利用者のこと考えてないんだもんw)、現状の馬鹿げた状態だと低迷していく一方だし、所謂「終わコン」状態になるんだろうなーと思ってた矢先のニュースでした。
まあ、扱うコンテンツの内容にもよると思いますが、アマゾンが日本の電子書籍界を席巻していくのでしょうね。
いろんなプラットフォームで、1つのリーダーアプリで本が読めるようになるので私としても嬉しいです。
●フォーマットの話
日本向けの対応がされたEPUB3(縦書き、ルビなど)が出る前は、まともに日本語環境対応されてたのはシャープの次世代XMDF形式くらいで、他社としては1社の独自フォーマットを使うことに抵抗があったというのは判りますが、もっと早くなんとかならんかったのかと。
次世代XMDF形式を誰でも使えるようにするのが遅すぎた…
(当時は出版関連のみしか扱えなかったようです)
電子書籍元年と言われた去年、当初からさっさとXMDFを解放し、「epubじゃできない表現がこんなにできるんだぞ!各協会・団体さん達これを好きに使ってくれ!」と言って且つ有料でもいいからDRMの仕組みも提供し、その上でガラパゴスなり何なりを発売していれば、もっと状況は違ったんじゃないかと思います。
XMDFが読めるリーダーアプリがあればいいわけですし、現状のように専用アプリが乱立しすぎてお互いに食いつぶしあうような状況は回避できたのかもしれません。
当初、すぐにXMDFについてシャープに問い合わせたんですが、まったく相手にもしてもらえませんでしたしね。やっぱり企業としての欲があったんでしょう。当然だとは思いますが。
一方、epubにしてもAmazonのAZW形式にしてもオープンな形式なので、これ向けにコンテンツを作ることは誰でも可能ですし、他の形式から変換するサービスもあるようです。
ただし、DRM機能が標準でついてるわけじゃないので、もしDRMが必要なら今後はAmazonを利用するってのが主流になるんでしょうね。
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どんなラインナップになるんだろ。国内の電子書籍業界や出版関係がどう変わっていくのかすごく楽しみだ
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